丹波篠山市学力・生活習慣状況調査及び、全国学力・学習状況調査は、各教育委員会や各学校が児童生徒の学力や学習状況を把握し、学習指導や生活指導の改善等に役立てることを目的として実施されています。
本調査について分析結果をまとめました。本調査により測定できるのは、学力の特定の一部分であることや、学校における教育活動の一側面に過ぎないことなどを踏まえつつ、保護者・地域の皆様の理解と協力のもとに適切に連携を図りながら一層の指導上の工夫改善に努めます。学校の教育活動に対して支援していただければありがたいと思います。
1 丹波篠山市学力・生活習慣状況調査及び、全国学力・学習状況調査の結果について
【国語】
ほとんどの学年で、説明文の読みとりに課題があることがわかりました。中学年では、文章の中の重要な言葉を見つけながら読んだり、言葉を選び出したり、しながら読むことが難しかったようです。また、高学年においては、説明文で、条件を指示されたことに対する作文を書く問題で、条件をふまえた上で主張が明確に伝わる文章の構成を考えることが難しかったようです。しかし、今年度は漢字や作文の問題で無回答が少なく、チャレンジしようという姿勢が見られました。そして、漢字を読んだり書いたりする問題では、全学年、目標値を上回っていました。日頃の宿題への真面目な取り組みが結果として表れていました。また、説明文では課題がありましたが、物語文の読みとりはよくできている学年が多くありました。たくさんの本を読むことで、物語文のたのしさを味わってほしいです。
この課題を克服するために、中学年では、説明文を学習するときには、段落を短くまとめたり、段落と段落のつながりを考えたりし、大事な語句を見つけて要約する活動を取り入れます。そして、筆者の主張を正しく理解することにつなげていきます。高学年では、説明的文章の読みとりを通して、段落相互の関係を捉えたり、段落の要旨を読み取ったりすることを大切にしていきます。また、作文等を通して、「書く」ことに慣れさせるとともに、文章構成を意識した、分かりやすい文章になるよう指導していきます。
【算数】
4年生と5年生では、かけ算や小数、分数の計算ミスが見られました。□を使った式や計算のきまりをしっかりと使って計算する必要があります。そして、3年生では、時計を見て時間を求める計算、6年生では道のりと時間の関係を求める問題で課題があることが分かりました。また、中学年では、計算の考え方を言葉で説明する問題、高学年ではグラフから複数のデータを比較する問題が難しかったようです。中学年で目標値を上回っていた項目は、図形の問題や長さ・かさの問題、面積を求める問題です。足し算や引き算の基礎的な問題がよくできていました。高学年においては、小数のしくみやわり算の計算、面積の求める問題がよくできていました。
この課題を克服するために、まずは、全ての基本となる四則計算をしっかり練習していくことが必要です。基本的な計算スキル(たし算、九九)の練習を宿題やスキルタイムなどに取り組んでいきます。中学年では、時計の感覚をつかませる活動を取り入れ、普段から時刻を意識して声かけをし、時計や時間をたのしく学んでいけるようにします。また、立式の考え方を自分の言葉で伝える時間を設け、図や式を関連づけながら説明する活動を設けていきます。高学年では、道のりと時間の関係には着目できています。今後は、示された図表を読み解く力、筋道立てて説明する力を高められるよう、普段から正しい数学的表現を用いて考え方を書いたり説明したりする場を設けていきます。
2 生活習慣・学習習慣について
全国平均を上回っているものとして、「自己認識」の中の「あなたの気持ちをわかってくれる友だちはいますか」の項目では、全学年で80%以上の児童が肯定的な回答をしました。また、「生活習慣」の「朝ご飯を毎日食べていますか」の項目においては、90%以上の児童が、朝ご飯を食べていると回答しました。「成功体験と自信」では、肯定的な回答の項目が多くありました。自分のよいところやがんばりを80%以上の児童が認め、それによって達成感や充実感を感じている児童が90%以上いることがわかりました。対して、学習時間や読書量に課題が見られました。どの学年においても時間や量の二極化の様子が伺えました。また、社会性や規範意識については高学年になるほど高くなる傾向が見られました。
この結果より、家庭と学校が連携しよい生活習慣を実践できていること、自己肯定感が育まれていることが感じられます。今後、より良い学習習慣が身につくよう、ご家庭と連携を行い、家庭学習の習慣づけや読書の推進を図っていきます。学校においても、「たのしい・わかる・できた」と感じられる授業づくりを目指し、自己肯定感を高める活動を推進します。
学習・生活習慣に関する調査結果の概要に係る資料